世界初、次世代プロセッサIP(RISC-V)向けの包括的なソフト開発環境の実現に成功

―マルチコア対応高性能ランタイム環境(RTE)において処理時間を平均71%短縮―

 NEDOは「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」(以下、本事業)に取り組んでおり、その一環で、このたび株式会社OTSLは、株式会社エヌエスアイテクス、京都マイクロコンピュータ株式会社、イーソル株式会社と共同で、次世代プロセッサIP(RISC-V)向けエッジコンピューティングのための包括的なソフト開発環境の実現に成功しました。
 さまざまな機能が混在するヘテロジニアスな環境下でのRISC-V向けオペレーティングシステム(OS)、各種並列化フレームワーク、コンパイラ基盤、並列プログラム処理のための開発ツールを組み合わせた包括的なソフト開発環境を実現したのは世界初となります。このヘテロジニアスなマルチコア対応の高性能ランタイム環境(RTE)で、車載、産業機器で広く使われているポータブル・オペレーティングシステム・インターフェース(POSIX)標準のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)における処理時間を従来比平均71%短縮するなど、高い性能と開発支援機能が備わっていることを確認しました。
 これにより、人工知能(AI)をエッジシステムのRISC-Vアーキテクチャーで利用する際に必要となる、高速かつ高効率・低消費電力なRTEと開発ツールで構成されるRISC-V開発環境エコシステムが実現可能となり、国内でのRISC-Vアーキテクチャーのさらなる利用拡大が期待できます。
 

図1 RISC-V向けに実現した包括的なソフトウエア開発環境

 
1.概要

 IoT社会の到来により急増した情報の高度な利活用を促進するには、ネットワークの末端(エッジ)で中心的な情報処理を行うエッジコンピューティングなど処理の分散化を実現することが不可欠です。また、半導体の開発指標となってきたムーアの法則の終焉(しゅうえん)が叫ばれ、既存技術の延長は限界を迎えつつある中、著しく増加するデータの処理電力を劇的に低減できるような新しい原理での技術の実現が求められています。
 こうした中、オープンな次世代プロセッサIP(RISC-V[リスクファイブ])アーキテクチャーは、拡張性、カスタマイズ性、モジュール性に優れ、さまざまなワークロードやアプリケーション向けに容易に最適化することが可能であるため、急成長が見込まれています。しかし、これを搭載したエッジシステムで活用できるAIを開発するためには、より高速・高効率・低消費電力のランタイム環境(RTE)※1や、コンパイラ基盤※2、並列プログラム処理のための開発ツールが必要です。これに対して現在、それぞれ個別の製品やサービスはあるものの、開発者にとって包括的で使いやすい環境がなく、RISC-Vアーキテクチャーの持つポテンシャルを十分に生かしきれないことが利用拡大に向けた課題でした(図2)。
 

図2 RISC-Vが抱える課題への本事業の取り組み

 
 このような背景の下、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は本事業※3で、特に組み込みシステムで競争力を発揮するために重要となる処理効率・リアルタイム性を確保することや、国内ユーザーが必要としているより高速かつ高効率で低消費電力のランタイム環境(RTE)や、コンパイラ基盤、並列プログラム処理のための開発ツールを実現するため、既存のRISC-Vの開発環境をベースにRISC-Vコア向けにOS※4や開発ツールの開発と実証評価を行ってきました。
 このたび、本事業の一環で株式会社OTSLは、株式会社エヌエスアイテクス、京都マイクロコンピュータ株式会社、イーソル株式会社と共同で機能検証や性能評価を行い、各社の強みを融合したRISC-V向けエッジコンピューティングの包括的なソフト開発環境の実現に成功しました。
 さまざまな機能が混在するヘテロジニアスな環境下でRISC-V向けのOS、各種並列化フレームワーク※5、コンパイラ基盤、並列プログラム処理のための開発ツールを組み合わせた包括的なソフト開発環境の実現は世界でも初となります。このマルチコア対応の高性能RTEにおいて、車載、産業機器で広く使われているポータブル・オペレーティングシステム・インターフェース(POSIX)※6標準のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)※7処理における処理時間を従来比平均71%短縮するなど、高い性能と開発支援機能が備わっていることを確認しました。
 これにより、本事業で目指してきたAIをエッジシステムのRISC-Vアーキテクチャーで利用する際に必要な高速・高効率・低消費電力なRTEと開発ツールを包括的に提供することで、国内におけるRISC-V対応のソフト開発が活性化し、RISC-Vアーキテクチャーのさらなる利用拡大が期待できます。このようにRISC-Vベンダーのビジネス拡大(市場拡大)に寄与することで好循環(RISC-Vエコシステム)が見込めます。
 本プロジェクトで包括化されたRTEと開発ツールの構成を図1に示します。

2.今回の成果

 従来からRISC-Vを利用可能なツールや開発環境は存在していましたが、ソフトを開発する際には、開発者自身がそれらを組み合わせて利用する必要がありました。それらは必ずしも最適に連携したものではなかったためスムーズな開発とRISC-Vの持つポテンシャルを十分に引き出すことが難しく、また余分な手間も発生していました。今回4社の強みを融合し、新たなソフト開発環境として包括的に提供することにより、RISC-V向けエッジコンピューティングのための最適なソフト環境を用意できました。

 また、AIをエッジシステムで利用するようなハイパフォーマンスコンピューティングを視野に入れ、以下三つの目標を掲げて研究開発を進めてきました。
(1) 計算量の多いAI処理、信号処理、制御を含めた非対称用途への適用とレガシーコード※8の混在に対応した高性能でリアルタイムなRTEおよびプログラミング環境の実現
(2) AI処理などの電力効率を1桁高めるためにRISC-V Vector extension(RVV)※9に対応
(3) 日本が強みとする車載や産業機器をはじめとする高信頼系システムへの適用

 その結果、以下の性能向上、改善を実現しました。

  • RISC-Vに最適化されたマルチコア対応の高性能RTEの設計・開発において、目標としていた水準を大きく上回る従来比平均71%の処理時間短縮を達成しました(図3)。

 

図3 POSIX標準API処理時間の比較

 

  • セキュアオープンアーキテクチャ※10向け並列化対応開発環境の設計・開発において、従来に比べて25%の並列化効率の改善とソフトウエア開発ターン・アラウンド・タイム(TAT)※11の50%改善を実現しました。
  • セキュアオープンアーキテクチャ向けベクトル化Cコンパイラ※12の設計・開発において、自動的に適切なRVV命令を生成するコンパイラ基盤を開発し、直接イントリンシック関数を記述した場合と同等機能でかつ目標値である80%以上の性能と10倍以上の生産性改善を達成しました。
  • セキュアオープンアーキテクチャ対応RTEのオープンソース化実証および対応評価環境の設計・開発で、ツールチェイン※13と連携可能なRTEを開発し、ロウ レベル バーチャル マシン(LLVM)※14との連携部分の無駄を排除することでリアルタイムOS(RTOS)※15の起動やタスク切り替えなどで20%以上の時間短縮を実現しました。

【注釈】
※1 ランタイム環境(RTE)
 OSなどのエッジシステム上で実行される実行環境です。

※2 コンパイラ基盤
 コンパイラ作成のためのモジュール群です。ロウ レベル バーチャル マシン(LLVM)などが代表例です。

※3 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発
 事業名:革新的AIエッジコンピューティング技術の開発/セキュアオープンアーキテクチャ向けコンパイラバックエンドおよび対応ランタイム環境の設計・開発
 事業期間:2020年度~2022年度
 事業概要:https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100123.html

※4 オペレーティングシステム(OS)
 コンピューターを動作させるための基本ソフトウエアです。

※5 各種並列化フレームワーク
 並列演算命令を活用し、並列度を高めることで処理性能向上を図るために必要となる機能や定型コードをライブラリとしてあらかじめ用意したものです。

※6 ポータブル・オペレーティングシステム・インターフェース(POSIX)
 主にUNIX系OSに共通する機能などについて、プログラムからの呼び出し方法などの標準を定めた規格です。

※7 アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)
 Application Programming Interfaceの略称で、ソフトウエアやプログラム、Webサービスの間をつなぐインターフェースです。

※8 レガシーコード
 古くなったソースコードです。

※9 RISC-V Vector extension(RVV)
 RISC-Vのベクトル拡張命令です。

※10 セキュアオープンアーキテクチャ
 将来的に普及が見込まれるAIエッジデバイスのセキュリティー確保において各組織が協調する開発基盤です。

※11 ターン・アラウンド・タイム(TAT)
 システムに処理要求を送った後、結果の出力が終了するまでの時間をいいます。データやコマンドの入力が終了した後、処理結果の出力が終わり次の要求の受け入れが可能になるまでの時間のことです。ここではプログラムのプロトタイピングから製品の作成までに要する時間です。

※12 ベクトル化Cコンパイラ
 コンピューターのプログラムにおいて繰り返し処理で配列(ベクトル)の要素をひとつひとつ計算しているような部分を自動でベクトル化し高速に演算できるように変形することができるCコンパイラです。

※13 ツールチェイン
 ソフトウエア開発のために必要な特定機能を持つ支援ツール群で、前のツールの出力を次のツールの入力として連続して実行していく関係になっていることからチェイン(chain:鎖)と呼ばれています。

※14 ロウ レベル バーチャル マシン(LLVM)
 Low Level Virtual Machineの略です。コンパイル時、リンク時、実行時などあらゆる時点でプログラムを最適化するよう設計された、任意のプログラミング言語に対応可能なコンパイラ基盤です。

※15 リアルタイムOS(RTOS)
 OSの種類の一つで、時間的な制約がある処理を実行するための機能や特性を備え、特に組み込みシステム向けにリアルタイム応答性能を重視した軽量なOSです。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部
担当:大坪、岩佐
TEL:044-520-5211

株式会社OTSL システム開発第2事業部
TEL  : 052-961-1010
E-mail: info@otsl.jp

株式会社エヌエスアイテクス
E-mail: support@nsitexe.co.jp

京都マイクロコンピュータ株式会社 管理部
TEL : 075-335-1050
E-mail: jp-info@kmckk.co.jp

イーソル株式会社 マーケティングコミュニケーション部
E-mail: media@esol.co.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:坂本、黒川、橋本、鈴木、根本
TEL : 044-520-5151
E-mail: nedo_press@ml.nedo.go.jp

※新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。

東工大名誉教授 松澤昭先生によるアナログ回路基礎講座開催のお知らせ

お客様各位

平素からお世話になっております、ますますご清祥の由お慶び申し上げます。
日頃は弊社に多大なるご愛顧をいただきありがとうございます。

弊社顧問である東工大名誉教授の松澤昭先生にアナログ回路基礎講座の講師としてお招きして、全5回の社内教育講座開催を予定しております。定員はございますが、お客様へと解放し、学習の機会を提供できればと思っております。

ご多忙中誠に恐縮ではございますが 何とぞご来場くださいますようお願い申し上げます。

<講座の詳細について>
第一回:アナログ回路基礎講座:電気回路の基礎
講師:弊社顧問 東工大名誉教授 松澤昭
日時:11月16日(水曜日)9:30-16:00
場所:株式会社OTSL 東京オフィス
住所:〒108-0075 東京都港区港南2丁目4−15 品川KSビル 7階
定員:10名

※新型コロナ感染対策・予防のため参加者様全員のマスクの着用をお願いしております。

講座受講者には、以下の松澤先生の本4冊を進呈致します。

1. 「はじめてのアナログ電子回路(基礎回路編)」 講談社
2. 「はじめてのアナログ電子回路(実用回路編)」 講談社
3. 「新しい電気回路 上」 講談社
4. 「新しい電気回路 下」 講談社

※2回目以降の日時は未定となっております。

<参加について>
第1回~5回は基本無償で提供させて頂いております。
筆記用具の持参のみお願い致します。

<参加方法>
参加をご希望される方につきましては、COSMOSIM_SALES@otsl.jpに以下の項目をご返信ください。
定員になり次第、締め切りとさせて頂きますので、お早めにお申込みください。
また、ご都合が悪くなり参加することが不可能になった場合もCOSMOSIM_SALES@otsl.jpにご連絡くださいますようお願い申し上げます。

1. 参加or辞退(参加表明後に辞退される場合)
2. 所属企業
3. 所属部署
4. 氏名
5. 参加者様のE-mailアドレス

<今後開催予定の講座について>
本アナログ回路基礎講座は以下全5回の開催予定です。
2022年
11月16日: 第 1 回「電気回路の基礎」
12月: 第 2 回「フィルタと分布定数回路」

2023年
1月: 第 3 回「電子デバイスと基本アナログ回路」
2月: 第 4 回「DAC と ADC」
3月: 第 5 回「RF 回路」

<お問い合わせについて>
製品に関するご質問、またお問い合わせなどがございましたら、本メールに返信もしくはCOSMOSIM_SALES@otsl.jpまでお問い合わせください。
尚、製品の案内が不要な場合、返信にて不要と一言記載していただき、ご返信いただければ幸甚です。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします

OTSL Germany GmbH, Most Advanced Automotive Simulator Company 2022 を受賞

OTSL Inc. の関連会社で,ドイツのミュンヘンに本拠を置く OTSL Germany GmbH は,AI Global Media Ltd が選定する Most Advanced Automotive Simulator Company 2022 を受賞しました。受賞の理由は,OTSL Germany GmbH によって開発された COSMOSIM 自動運転用センサシミュレータが,自動運転車の開発を加速する優れたツールとして認められたためです。

AI Global Media Ltd. について
AI Global Media は,表彰プログラムを通して,世界中の企業がその成果を認められるよう支援しています。また,これらの企業がそれぞれの成功を利用してビジネスを促進し,新しい顧客を獲得する方法を見つけることを支援しています。

受賞の詳細について
受賞の詳細については,こちらをご参照ください。

OTSL、NSITEXE、京都マイクロコンピュータ、アクセル、 RISC-Vを使用した高信頼エッジAIプラットフォーム開発で協業

株式会社OTSL(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:波多野 祥二、以下OTSL)は、株式会社エヌエスアイテクス(本社:東京都港区、代表取締役:新見 幸秀、以下NSITEXE)、京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:山本 彰一、以下KMC)、株式会社アクセル(本社:東京都千代田区、代表取締役:斉藤 昭宏、以下AXELL)と共同で、NSITEXEのRISC-V ISA(Instruction Set Architecture)を採用したAI推論処理IP(以下 AI IP)向け高信頼エッジAIプラットフォーム開発を推進していきます。

人とクルマや街をつなげるモビリティ社会やスマートシティの実現、及び実世界にある多様なデータを収集し、産業の活性化や社会問題の解決を図るサイバーフィジカルシステムの構築が進む中、エッジデバイス上で安全かつ低消費電力にAI処理を実現したいというニーズが高まっています。

NSITEXEのAI IPとは、MIMD型ベクトルプロセッサ(RISC-V Vector Extension Version 1.0準拠)と独自のレイヤー・フュージョン・アーキテクチャを採用した2D Convolution Engineを組み合わせ、様々なエッジAI推論ワークロードを安全かつ高い電力効率で一括処理可能な半導体IPです。自動車向け機能安全規格ISO 26262のASIL Dまでに対応し、自動車をはじめ様々なエッジデバイスで安全かつ低消費電力にAI処理を実現します。

高信頼エッジAIプラットフォームは、学習済みニューラルネットワーク(以下NN)モデルをAI IP向けに変換し性能最適化を行うデプロイツールと高性能かつ安全に推論実行するためのミドルウエアで構成されます。ユーザーはTensorFlowやPyTorchなどのニューラルネットワークフレームワーク上で開発したNNモデルを簡単にAI IP上で推論処理することが可能となります。

NNモデルデプロイツールは学習済みNNモデルの量子化やレイヤーフュージョン、軽量化を行い最適化したグラフ構造のソースコードを生成します。AI IP向けに性能最適化されたNNモデルの演算ライブラリやNNモデル実行制御ライブラリなどのミドルウエア、及び高速なベアメタルスレッド制御ランライム(RTS)やマルチタスク対応した柔軟なRTOSベースのランタイム環境を提供していきます。組込みエンジニアにとって使い易いビルドやデバッグの統合開発環境を提供し、エッジデバイスにおけるAIの普及に貢献していきます。

 

高信頼エッジAIプラットフォーム

 

NSITEXEは、ニューラルネットワークフレームワークやMATLAB/Simulink上で作成したモデルをシームレスにAI IPへデプロイする環境を提供します。リアルタイム性が求められるセーフティクリティカルシステムに対応するために、軽量で高速なランタイムスレッドスケジューラ(RTS)や故障診断やネットワーク実行監視機能をサポートした機能安全ライブラリ(STL)、性能最適化されたRISC-Vベクトル拡張演算ライブラリを開発していきます。

OTSLは、高信頼エッジAIプラットフォームに搭載されるRISC-Vベクトルプロセッサ上で動作するRTOSを提供していきます。本RTOSでは、RISC-V Vector Extensionを効率的に利用可能な環境を提供していきます。

KMCは、高信頼エッジAIプラットフォームに搭載されるRISC-Vベクトルプロセッサの性能を最大限に引き出すよう、本プロセッサに最適化されたLLVM/Clangコンパイラを提供していきます。またコンパイラツールチェインには、ベクトル演算専用のC/C++用数学ライブラリが付属し、本プロセッサのベクトル演算ユニットを効率よく利用できるようにします。また、KMCのJTAGデバッガであるPARTNER-Jet2も本プロセッサに対応し、本プロセッサの開発環境の整備に務めます。

AXELLは、AIフレームワーク(ailia SDK)の開発で培った、AIの実装と最適化に関する高度な知見を元に、組み込みシステムに最適なAI実行環境を提供します。また、豊富な学習済みモデルと、アプリケーションを含む開発支援により、お客様に最適なAIシステムの構築をサポートしていきます。
 

株式会社OTSL 代表取締役 波多野 祥二のコメント
 OTSLは、これまでの組込み機器開発でのノウハウを生かし、RTOSおよびHypervisorなどのソフトウェアプラットフォームの提供を進めております。その一つとして、今回の高信頼エッジAIプラットフォームに対して、RTOSをご提供することにより、RISC-Vを取り巻く、エコシステムに貢献できることを大変、喜ばしく感じております。

株式会社エヌエスアイテクス CTO 杉本 英樹のコメント
 NSITEXEは、将来の大きな動向を踏まえ、汎用性・高効率・機能安全を3本の柱に開発を進めてきました。今回の開発するRISC-V高信頼エッジAIプラットフォームを活用することにより高い電力効率と安全性を実現し、世界中の自動車関連のお客様にクリーンエネルギーをはじめとする持続可能な世界を創るモビリティ社会に欠かせない開発基盤を提供致します。

京都マイクロコンピュータ株式会社 代表取締役 山本 彰一のコメント
 京都マイクロコンピュータは今回のプロジェクト本事業を通して、自社のお客様だけでなくRISC-Vコミュニティの一員として開発環境の整備・発展に幅広く貢献できることを大変喜ばしく感じています。

株式会社アクセル 常務取締役 客野 一樹のコメント
 近年、AIの利用は汎用プラットフォームから組み込みシステムへと広がりを見せています。アクセルは今回のプロジェクトを通して、組み込みシステムに最適な高速・高精度なAI実行環境を、NSITEXE様と共に提供することで、組み込みシステムの高付加価値化に貢献していきたいと考えています。
 

今回の開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務での成果の一部を活用しております。
 

■補足資料
OTSLについて
 OTSLは、組込みシステムやリアルタイム・システム、そして近距離無線システムの企画開発を通じて、これまで高い技術力と豊富な経験を蓄積してまいりました。 さらに、こうしたテクノロジーをベースとして、ソフトウェア開発や品質保持に関するコンサルティング、および教育サービスの提供に至るまで、先進企業がITのテクノロジー・メリットを最大限に享受しながら、製品とサービスの更なる進化へと直結させることを目的とした、様々なサポート活動を展開しています
OTSL 会社情報: https://www.otsl.jp/

NSITEXEについて
 NSITEXEは、2017年に株式会社デンソーからスピンオフして設立した先進的なプロセッサを開発するIPベンダです。機能安全に対応したRISC-V準拠のプロセッサIPを開発しています。高効率、高品質な半導体IPにより、幅広いアプリケーションに対応し、次世代の半導体技術の進化に貢献します。
NSITEXE 会社情報: https://nsitexe.com/

KMCについて
 京都マイクロコンピュータは、組込みソフトウェア技術を中心に据え、JTAGデバッガ、コンパイラなどの開発環境を軸に時代のニーズにお応えする製品をご提供しています。マルチコアCPUへの対応、組み込みOS環境での効率的なデバッグ等、今求められる技術、製品を開発するエンジニア指向の会社です。
京都マイクロコンピュータ 会社情報: https://www.kmckk.co.jp/

AXELLについて
 AXELLは、高度なアルゴリズム開発から製品化を担うソフトウェア・ハードウェア開発まで一貫した開発体制を保有する先端テクノロジー企業です。大規模LSIの設計開発に加え、機械学習/AIや暗号・ブロックチェーン技術等の先端技術を社会実装することで、デジタル技術によるビジネス改革に貢献する事を企業使命としています。
AXELL会社情報: https://www.axell.co.jp/

 

● PyTorchは、Facebook, Inc. の商標または登録商標です。
● TensorFlowは、Google LLC の商標または登録商標です。
● ONNXは、The Linux Foundation の商標または登録商標です。
● MATLAB、Simulinkは、The MathWorks, Inc. の商標または登録商標です。
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